自伝
しばらくして石井さんが用意したマンションに引っ越した。
引っ越しの日は見送るのも、見送られるのも辛いから、悟史さんはわざと出掛けた。
私は春陽と一緒に衣類とタンス1つだけ車に積み家を出た。
新しい部屋は今までと違い広くて
部屋の前には川が流れ川沿いに桜の木が沢山あった。
「春になったら…桜きれいなんだろうね」
「部屋から花見が出来るな」
「うん…」
悟史さんと暮らした場所からは1つ隣の駅に移っただけの距離。
心のどこかで
安心してた…
それからしばらくして悟史さんが自己破産をした。
何件かの支払先が残ったものの
今までの返済地獄からは脱出できた。
石井さんは川越に帰る事はなく
最低限な着替えだけを持って一緒に暮らしていた。
夜の仕事がなくなったおかげで
昼間の仕事中に居眠りすることはなくなった。
春陽の保育園も家のそばに移った。
きっと川越に行っても、保育園は何とかなってたはず…
それでも、行きたくなかったのは
やっぱり…心のどこかで悟史さんと離れたくなかったんだと思う。
引っ越しの日は見送るのも、見送られるのも辛いから、悟史さんはわざと出掛けた。
私は春陽と一緒に衣類とタンス1つだけ車に積み家を出た。
新しい部屋は今までと違い広くて
部屋の前には川が流れ川沿いに桜の木が沢山あった。
「春になったら…桜きれいなんだろうね」
「部屋から花見が出来るな」
「うん…」
悟史さんと暮らした場所からは1つ隣の駅に移っただけの距離。
心のどこかで
安心してた…
それからしばらくして悟史さんが自己破産をした。
何件かの支払先が残ったものの
今までの返済地獄からは脱出できた。
石井さんは川越に帰る事はなく
最低限な着替えだけを持って一緒に暮らしていた。
夜の仕事がなくなったおかげで
昼間の仕事中に居眠りすることはなくなった。
春陽の保育園も家のそばに移った。
きっと川越に行っても、保育園は何とかなってたはず…
それでも、行きたくなかったのは
やっぱり…心のどこかで悟史さんと離れたくなかったんだと思う。