自伝
春陽は久しぶりの我が家というように


悟史さんに添い寝されて


スヤスヤ眠った。


「安心したんだね」


「うん」


「ところで、今何やってるの?」


「…まだ…何もしてないよ」


「お金…どうしてるの?ご飯は?」


「情けないけど、自販機の釣銭忘れさがしたり、朝一番で他人の家の配達された牛乳とか飲んでる…」


そんな…


思わず、財布から持っていたお金全部を出して渡した。


「とりあえず、持ってて」


プルルル…


「携帯鳴ってるよ」


石井さんからだ…


無視した


何度もかかってきてその音で春陽が起きそうだった。


仕方なく、電話に出る事にした


「はい…」


「お前、今どこにいるんだよ」


ものすごく不機嫌な声…


「友達の所、でも…もう、帰らない」


「そうか…じゃあ
今から、俺がそっち行ってやるよ」


「えっ!?」


大惨事になる!!!

とっさにそう思った

急いで外に出てみると


アパートのわきに車を停めて


石井さんが立ってた

「やっぱり…ここか…出て来なかったら殴り込みに行こうと思った」


そんな気がした…


「どうするんだ?別れてもいいぞ。その代わり、男…半殺しにするけど」


かなり…やばい


確かに石井さんはプロレスラーみたいな体格だし


マフィアみたいな感じで


めちゃくちゃ喧嘩が強そうだった


この人なら…


本当にやる…
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