自伝
「綾は?」


「なんか…もっとドロドロしてる感じ」


「でも、一生懸命生きてるって伝わるよ」


「ありがとう」


今の話しで彼の中で昔の恋人と今のはっきりしない関係の子が


とても私にはネックに思えた。


そんな事情の陽向君はお金を使うことが嫌いで


外食とか遊びも、とにかくあまりしないらしい


そんな彼に合わせて
夕方までドライブしたり、公園巡りをしてこの日のデートは終了した。


また、次に合う約束をして


春陽を迎えに実家へ行くと


お母さんが言い辛らそうに


「綾…春陽のパパの事なんだけど…」


「悟史さんがどうしたの!?」


「アパートの家賃をね…半年も払ってなくて、仕方ないから出て行ってもらったのよね…」


「そ…う…」


なんだか、切ない気持ちが湧いてくる


「滞納した分はお母さんが払ったから」


「ありがとう…」


一気に、テンションが落ちて


マンションに帰った

マンションには珍しく、石井さんが帰って来てた。


「どこ行ってた?」


「うん…実家に遊びに行ってた」


「実家ね…そうなんだ」


私が外に出歩くのは面白くないよう


きっと、また悟史さんと会ってるのかと勘ぐっているんだろうな…


悟史さんは


もう…どこにいるか分からなくなっちゃったのに…
< 177 / 284 >

この作品をシェア

pagetop