自伝
結婚して半年になる頃に石井さんの子供を妊娠した。


迷わず、産まないことを決めた。


石井さんもそう望んだ。


何故なら


この頃には静岡の得意先の女の子と浮気してたから


もともとあった私の車をお兄ちゃんにあげていたので


車は石井さんの車を必要な時にだけ借りてた。


その日も


陽向君と公園巡りをするために


陽向君の会社まで行き


駐車場に車を止めて陽向君の車に乗り換えた。


「今日はどこの公園に行こうか?」


「ちょっと行きたい公園があるんだ。
そこに行ってもいい?」


「いいよ(笑)賢ちゃんお薦めの公園でしょ?」


場所はよくわからないけど


都内じゃかなり有名な所らしい


休日とあって家族連れが多く


ゆっくり時間ながれてた


持参したビニールシートを引いて


頑張って作った手作りのお弁当や荷物を置いて2人で寝っころがった


「気持ちいいね」


「本当だね」


「あのさ…」


「なあに?」


「今度は春陽ちゃんも連れておいでよ」


「ありがとう」


陽向君とのデートは土曜日


春陽を保育園に預けていた


だから、帰りもお迎えに合わせて帰って来る


かなり健全なお付き合いをしていた。


「ねえ…ビデオカメラ持ってる?」


「持ってるよ。何で?」


「来週ね春陽の保育園で運動会なんだ。良かったら取ってくれる?」


「本当!?すげぇ楽しみ!行くよ!」


その時の表情が本物だったから


つい…


私からキスしてしまった…
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