自伝
「…」


「ごめん…あんまり可愛くてつい…」


寝そべった体を起こして


陽向君の手が私の髪に触れた


今度は陽向君からキスをした


私達の空間だけ時間が止まっているようだった


「なんかさ、合図決めない?」


「合図?」


「そう、綾の会社に行った時あんまり話せないじゃん」


「うん…そうだよね。例えば?」


「俺、ちょっとだけ手話教室に行ってた事があって」


「へぇー意外(笑)」


「愛してるって手話」

指でやってみせてくれた


私も真似してみた。

「これでいいの?」


「そうそう、上手(笑)」


「じゃあ、会社の中で会った時とかはこれね(笑)」


「そうだ再来週なんだけど草津に会社の保養所があってそこに行くんだけど、一緒に行かない?」


「へぇー温泉かぁ…
いいね(笑)行きたいな」


「じゃあさ4人で予約してるから誰か友達誘いなよ」


「そっちは誰が来るの?」


「ほら、こないだ飲み会の時に一緒にいた鈴ノ木だよ」


「あぁ…あの子ね(笑)わかった。友達に連絡してみるね」
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