自伝

番号だけ出して携帯を渡した


｢もしもし？石井さんの奥さんの知り合いだけどねあなたに一言だけ言っておくわ｣


頭がぐるぐるしてきた


｢とにかくあなたは誰かを苦しめて人の物とるんだからいつかあなたも

同じ目に合う覚悟だけはしておきなさい｣


なんか…


私が怒られてる気分

｢綾…この女かなり強かだよ。どうせ、計算違いして捨てられるのが見えてるよ｣


もう…本当にいいから…


｢気を付けて帰るのよ｣


｢はーい…お疲れ様です｣


アパートまでは歩いて帰れる距離だから

フラフラしながらも着実にアパートに近づいていた。


不意に誰かが私の腕を掴んだ


｢なに!?｣


｢綾…｣


石井さん!?


｢お前彼女に何言ったんだよ!!｣


脅すような低い声で詰め寄って来た


痛い…つかまれた腕の血が止まりそう


｢おい!!｣


何でここまで来て殴られなきゃいけないの!?


｢知らないから!!｣


｢この女!!｣


そのまま、もう片方の腕を振り上げて私を殴ろうとした瞬間

｢おい!!女殴ってんじゃねぇよ!!｣


アパートを貸してくれたママの友達だった


｢殴ってなんかいないですよ｣


急にいい人に変わった