自伝
雄ちゃんと春陽を迎えに行き


帰り際、近くのファミレスに入った


後から鈴ノ木君が自転車でやって来た


「いやあ!!しかし、近くなったね(笑)埼玉まで行ってたのが懐かしいよ(笑)」


いきなりのハイテンションはいつも私を励ましてくれる時に使う手だよね(笑)


「和おじさん♪」


「おぉ!春陽じゃないか(笑)」


春陽は鈴ノ木君がお気に入りだったから

鈴ノ木君が来るといつもそばに行ってしまう


「ごめんね食べ辛いよね」


「え?いいよ全然

ねー春陽(笑)」


春陽も真似をして


「ねー和寿」


「ちょっ…和寿って春陽」


「和は春陽と同年だもんな(笑)」

雄ちゃんが楽しそうに笑ってる


私も自然に笑ってる

いつもこうやって励ましてくれるんだよね


「あっ…」


「?」


「いらっしゃいませ」

「綾、見ちゃダメ」


もう、見ちゃった…

「あぁ…やあ…」

鈴ノ木君が気まずそうに


偶然、同じ店に入って来た陽向君に挨拶した


陽向君は黙ったまま片手だけ軽く上げて友達と奥へ消えた。

考えてみれば


この街は鈴ノ木君が働いてる会社がある

私の家は鈴ノ木君の家と雄一郎の家の丁度中間で


陽向君の家にも歩いて行ける距離だった

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