自伝
「おーす!」


鈴ノ木君と雄一郎がやってきた。


雄一郎は最近あまり家に帰らず


私の家に泊まる事がほとんど…


今日も…


……泊まり?


「ねえ!綾
昨日俺が持ってた携帯のストラップ
知らない?」


「あぁ…あれなら、その棚の上だよ」


「あっ…本当だ(笑)」

「まったく、雄一郎今日は家に帰りなよ」


「てかさ…ここで一緒に暮らしてもいい?」


「…」


「和寿もいることだしこの辺で、ハッキリさせようぜ」


鈴ノ木君のテンションは一気に下がってた。


「綾さぁ…俺の事嫌い?」


「嫌いじゃないけど」

「もう…いいじゃん雄一郎」


「そうだよね…鈴ノ木君だって困ってるよ。」


雄一郎は怯むことなく結論を急いでた。

「和寿がさ綾の事前から好きなのは俺も知ってたし、だから影でコッソリじゃなくて今、和寿の前でハッキリしたいんだ」


ちょっと、かなり…本気?


鈴ノ木君はずっと黙ったまま


正直言って、鈴ノ木君には本当感謝してる。


いつだって、私のそばで見守ってくれてたから


そんな彼には本当に幸せになって欲しいと心から願ってた。

随分前に実は鈴ノ木君の家に呼ばれた事がある…


鈴ノ木君はお母さんを学生の時に亡くしていて、しっかり者の妹と少しお茶目なお父さんとで、暮らしていた。


鈴ノ木君の家の帰り道…


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