自伝

余計な物がないおかげで、部屋は広々してた。


「へぇ…キチンとしてるんだね」


「さっき、一生懸命掃除したもん」


クス(笑)


「夜景も少しは楽しめるよ」


窓を開けてくれた


なま暖かい風が部屋の中に入り込んで、通り過ぎて行った


「今度はさ…春陽ちゃんも連れておいでよ」


「ありがとう」


「俺…仲良しになれるかな」


「大丈夫だよ(笑)」


翌日はのんびりと昼まで、家で過ごして午後から散歩しながら色んな所を案内してくれた。


「都電が走ってる。来る時はこっちの方が早いかも」


「そうなんだ、都電は乗った事がないから良く分からなくて」


「そうだ、都電乗る?」


「いいね(笑)乗るか」

早稲田までひたすら乗り続けて


帰りは山手線に乗って帰ってきた。


結構楽しかった


短い休みが終わりかけてきた時に


「今度はさ…俺が、そっち行ってもいい?」


「うん…いいんだけど今ちょっとトラブってて…」


雄一郎の事を話した

少し考えた後


「じゃあ、落ち着くまでうちにおいで」


「えっ?いいの?」


「その子とハッキリ話さなきゃいけないから、会える段取りしてくれない?」


ひょっとして…


直接対決?
< 251 / 284 >

この作品をシェア

pagetop