自伝
「できたの?」


「まだ、2ヶ月だけど」


「どうするの?」


「どうして欲しいの?」


「ママが仕事しなかくてもやって行けるなら、良いんじゃない?」


「それって、絶対やって行けないってことじゃん。」


「別に、そんな事言ってないじゃん」


知ってる


いつも、自分が不利ならないように返事をして


結論を自分で決めさせて


後で責められた時に

「決めたのは自分でしょ」


って必ずいうよね。

「分かった。じゃあ産まないから、それでいいんでしょ」


「…」


次の週末に


手術を受けた。


透の病院を少しお休みして2,3日はゆっくり休んだ。


仕事には行ったけど

それから間もなく、透は1日の半分以上意識が無かったり戻ったりと


1日1日を生きる事も難しくなっていた。


毎日沢山の友達にお見舞いに来てもらい

ぼんやりした瞳で一人一人の顔を見つめてた。


少し調子がいい時が何日か続いて


「綾おばさん…梅干しアメ食べたいな」


「いいよ、今買って来てあげるね」


地元に戻れば、どこにでも売ってるアメが


病院のある都会ではどこにも売っていなかった。


駅のキヨスクやコンビニわかる所全部いったけど


どこにも売ってなかった。


「なんで?なんでないの?すみません梅干しアメ売ってるところしらないですか?」


コンビニの店員さんに聞いてみた


「多分、この先のレトロ雑貨屋さんにあるかもしれないです」


「ありがとうございます(笑)」


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