自伝
先生は静かな口調で話し始めた。

「仲田さんはこの先どうしたいの?」


「産みたいです」

「でもね、正直言って今日相手の方の両親を見た限りでは、厳しいと思うよ。
出産は出来てもどうやって育てていくのかな?かと言って仲田さんはもう6ヵ月だから法律的にも中絶はこの病院では出来ないんだよ」


「中絶なんてしません。産みます」

薬だってあんな仮眠薬じゃ死ねないって分かってた。

産むって貫き通したいのだって、きっと佑一がそんな私に戻って来てくれるって期待してたから。

分かってた全部無理なんだって事ぐらい。


でも、どうしていいか分からなかった。

私なりに、精一杯悪あがきするしかなかった。
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