自伝

１９才になった私はあれから、大検の専門学校へ通いながら、アパレルの営業アシスタントの仕事をしていた。

大検は猛勉強の末、その年に全てクリアした。

アシスタントの相手は、佑一と同じ年の早瀬さん

一応 部長

既に妻子持ちだったけど、とても家庭の匂いをさせない人だった。

あれ以来、出会った人の中で一番私にとって、影響力のあった人と言える。

ある日

｢おい仲田！ちょっとこれ着てみてくれないか？｣

春らしいパステルカラーのスーツだった。

｢はい｣

…サイズぴったりだ
｢良く似合ってるよ
お前に買ったんだ、大事にしろ！｣

｢え？｣

確かにどちらかといえば、流行りやセンスを全く気にしないタイプだから、センスめちゃくちゃだったかも…。

早瀬さんはにこやかに

｢俺のアシスタントはカッコいい女が合うんだ、頼むよ！｣

…

｢カッコいい女…？｣