自伝

心の中が物凄く熱くなってる自分に初めて気が付いた。

｢俺さ、今日病院抜け出したんだ、朝までには戻らないといけないけど、このまましばらく一緒に居てもらえるかな？｣

｢本当ですか？私も早瀬さんと一緒にいたいです！｣

｢よし！決まりだな(笑)｣

タクシーを捕まえてそのまま、しばらく走った先のラブホへ向かった。

元気とはいえ骨折した足と痛めた腰はつらそうだから、確かめ合う事は出来ないけど、彼の肌のぬくもりを感じているだけで全てが満たされていた。

｢明日は日曜日か…
仲田が嫌じゃなければ、病院にもおいでよ。｣

｢私は全然大丈夫ですよ(笑)
奥さんも…｣

｢ありがとう…綾｣

｢早瀬さん初めて名前で言ってくれましたね！ ｣

｢そうだっけ？じゃあこれからは綾にするよ｣

照れくさそうに私を見つめたその瞳は誠実だった。

｢寝るのもったいない気がするな｣


｢でも、早瀬さんはケガ人なんですからちゃんと、寝て下さい(笑)｣

・・・・・おいで

引き寄せられた後に
やっぱりお互い気持ちが溢れて確かめあわずには要られなくて

結ばれた


朝早く早瀬さんを病院へ送って行き、私は面会時間が来るまで近くのファミレスで待つ事にした。

ちょうど、病院の正面だったこともあって出入りする人達を眺めてた

一台のグレーのＢＭＷが環状８号線から強引に車線を変えて病院へ入って行った

｢ん!?
あれって…早瀬さんの車だ…。｣


休日なのに、スーツを着てばっちり決めた女性が車から降りた。

｢奥さんだもん来るよね…。｣

前のドアを閉めて後ろのドアを開けた。

中から小さな女の子２人が出て来た。


お母さんの周りをはしゃぎながら病院の入口へ向かっていた