自伝
翌朝、何時ものように早瀬さんの車で会社に行き少し手前で降りた。


その時だった

「綾!!!」

ゆかりが後ろから少し不機嫌そうにたたずんていた。

「おっ…おはよう…ゆかり今日は随分早いんだね(苦笑)」


「どういうこと!部長とは何でもないって言ってたじゃん!彼氏居るって言ってたじゃん!!」


すると、早瀬さんが車から降りて私たちの所へ近づいた。

「石田…少しお茶でも飲んで話そうか」


「いいです…綾の前でハッキリ言って下さい!部長と本当に付き合ってるのは、私だって!!!!」


「石田!」


「はや・せ・さん?」

「綾…違うよ!俺は本当に今、綾を大事に思ってるから!」


ゆかりが泣きながら

「嘘つき!!!
2人共嘘つきじゃん!!」


そう言って、会社とは反対へ走っ行った。

その日ゆかりは会社へは来なかった。

早瀬さんは何時も通り職場へ復帰して、貯まっていた仕事を順番に片付けて行った。
私はそのアシストで一気に忙しくなった。

そこへ、企画部の部長 林田さんが早瀬さんのデスクへやって来た。
林田さんと早瀬さんは同期で年も同じ事から、2人は悪友みたいな感じだった。
「おっ!やっと治ったなぁ~!!入院中はどうせ、看護婦口説いてたんだろ!」

自然と耳をすましてしまう。
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