自伝

坂道発進がかなり苦手だった私は仮免の実施も一回落ちた…

｢うーん…私ってば才能無いかも｣

落ち込んだ私を健太が見つけて


｢何メゲちゃってんの？綾らしくないじゃん(笑)｣


｢めちゃくちゃブルーなんですけどぉ｣


｢しょうがないなぁ…昼飯おごってやるから、いつもみたいに全力で乗り越えろよ！｣


｢おごってくれんの？やった！｣


｢全く…(笑)｣


そうして健太も春樹も秀樹もみんな帰ってしまい、私は半分、合宿先の主になりかかってた。


ようやく東京に帰れる日が来た。
帰りの電車が大雨の影響で途中止まってしまったり、やっと上野に着いたと思ったら、終電が終わっていた。


｢なんか、今日は駄目ダメの日だなぁ…｣

とりあえず、まだ動いている電車を乗り継いで、自宅近くの駅まで帰って来た。そこから、２時間歩いてやっと自分の部屋にたどり着いた時は真夜中過ぎだった。


｢もう…限界｣

荷物もそのままで寝てしまった。


｢綾！綾！!｣


｢えぇー？お母さん今 なんじ？｣


｢もう昼過ぎだよ、それよりも早瀬さんて人から電話何だけど。｣


なんか、久しぶりに聞く名前だなぁと、ボケーッとして直ぐに我に返った。


｢もしもし？｣