自伝
月曜日に最後の試験を受けに行った。
見事1回で合格してピカピカの運転免許証を手に入れた。


次の日、2週間半ぶりに会社へ行った。

林田さんが

「おぉー仲田久しぶりだな!免許取れたか?」


「はい!おかげさまで!ありがとうございました」


「早瀬も大喜びだなお前がいない間ずっと仕事の鬼だったぞ」


「そうなんですかぁ?」


まぁ、仕事も早瀬も頼むよ」


そう言って行ってしまった。


すると、今度は総務部長と早瀬さんが一緒に来た。


「仲田ちょっといいかな?」


「はい…」


「免許も取れた事だし、会社の営業車乗って帰っていいからな」


「本当ですかぁ?」


「それとしばらくして慣れたら新人頼みたいんだけど」


「新人?」


すると、2人の後ろから


「大本です。合宿の時はありがとうございました」


合宿で1人残った後に来たグループの人…
待ち時間に良く、お喋りしてたっけ…
一気にあの時の事が頭の中を駆けて行った。


ー福島ー


次の時間の車に乗る為にベンチに座っていた。


「次ですか?」


「うん!まだちょっと時間あるけどね、えっと…」


「大本です」


「大本君て仕事何してるの?」


「実は…
今、無職なんですよ…良かったらどこか紹介して下さい」


「うちの会社で営業探してるよ♪
良かったら面接来れば?」


「いいんですか!?」


「うん!全然平気♪そうだ名刺あげとくね」


ー東京ー


「仲田!?」


「あっ…はい、すみません…。大本君良かっね」


「ありがとうございます(笑)」


丸刈りで腰の低い男だった。
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