自伝
式の後、二次会も無事に終わりホテルの部屋へ戻ったときは夜中だった。


亮ちゃんはみんなから、お酒を飲まされたお陰で爆睡してた。


最上階の部屋からは海沿いに見える夜景がとてもキレイだった。


窓際のソファに座りバックから早瀬さんの手紙を取り出した

緊張して手が震えてなかなか手紙をひらけなかった。


一呼吸してからそっと手紙をひらいた。



愛しい人へ

ウェディングドレス姿、キレイだったよもう、本当に手が届かない人になってしまったんだね。
俺は、愛してるよ。変わらずにいつまでも…ずっと、ずっと

溢れ出す涙を止める事なんて出来なかった。窓の向こうに見える景色はいつか早瀬さんと2人で見たものだった。


「あの港から見た灯りはこのホテルだったんだよね…」


そのまま、泣きじゃくりながら朝を迎え翌日には沖縄へそのまま、新婚旅行へ行った。


妊娠している事を理由に私は亮を受け入れる事を拒み続けやがて、7月の半ば過ぎに男の子を出産した。


嬉しくて嬉しくて仕方なかった。


毎日ずっと眺めても飽きないぐらいずっと眺めてた。


『翔』と名前を付けた。


翔が産まれてからは毎日はあっという間に過ぎて行った。

いつの間にか、早瀬さんの事も考える事は無くなっていた。



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