自伝
次の日に早速会社へ電話をした。


「もしもし?仲田です」


「おぉ!!仲田じゃないか!!久しぶりだなぁ。どうした?もう離婚か?」


「林田さんですね?もう、そんな事ばっかり言って(笑)」


「で?どうした?」


「あ…のぉ…」


「早瀬か?」


「は…い…」


「…」


「あいつなら、辞めたよ。」


「えっ!?」


「ちょうど仲田が結婚して1ヶ月もしないうちだったよ。奥さんとも離婚してさ、あいつ仲田の事…本気だったんだなぁ…」


「離婚て…奥さんと仲直りしたんじゃないんですか!?林田さんあの時、早瀬さんと話してたじゃないですか」


「あれは違うよ。あの時はもう、離婚してたんだ。奥さんが家に戻って来たのは、あいつが代わりに出て行くからなんだ。まっ 子供もまだ小さいからな…」


「そんな…」


「Xmasの日にさ、あいつ仲田と2人で暮らすんだって川沿いのマンション借りてさ。びっくりさせるんだとか言って(笑)

楽しそうな顔してさ…」


「林田…さん…」


「仲田にふられてさ、あいつ空っぽだったんだなぁ。」


「早瀬さんは、今…」

「俺にも分からないんだ。心辺りは探したんだけどね…。」


「そうなんですか…」

「仲田」


「はい…」


「違う相手を選んだんだ。今の自分を大事にしろ」


受話器を置いて、頭の中が真っ白になってた…
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