四十六億年の記憶
「君は昨日埋まっていたと言ったが、何処に埋まっていたと言うのかね?」
「土だ」
「そうか」
彼女は土が好きなのだろうか。
雨に濡れた土の匂いが、体の表面だけでなく体内からもする。
「随分たくさん土を喰ったようだな」
「どうしてわかった」
大して不思議にも思っていない口調。
何故わかったか?その問いに答える義理はない。
「腹を壊すぞ」
「土を喰って死ねるなら本望だ」
「遺言は書きたまえよ。土葬にするように、とな」
「くっ。面白いことを言うな、あなたは」