優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
「雪穂、早く戻りなさいって言ったのに」


「ごめんなさい」


「こちらが大樹さんの息子さんの大雅くんよ。挨拶しなさい」


「……あ、はい。川上雪穂です」





ちょっと驚いてと言うか、緊張して名前を言うのでいっぱいいっぱいになってしまった。





「雪穂ちゃんか、可愛いな。これからよろしくな」





か、カッコいい。


カッコよすぎる。



笑顔でよろしくなんて…ヤバい…。



またあたしの胸はズキュンと高鳴る。



あ〜、こんな人がお兄さまなんて嬉しいような、悲しいような…。





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