優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
大雅は真剣に言ってるみたいだけど、何だかおかしくて笑ってしまった。


なんか、子どもみたい。



こんなわがままな束縛が嬉しいなんてあたしはまだ大雅が好きみたい。





「…お前がなれば?」


「はぁ?」


「お前がその大変な思いをすれば?」






また傷つけられて病気になるかもしれないと分かっている。



それでも“大雅の彼女”という言葉と立場に惹かれた。






「…………いいよ。このままじゃ、大雅には一生彼女が出来ないもんね。どうせ束縛されるなら彼女になってあげる」






< 210 / 361 >

この作品をシェア

pagetop