優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
アヤさんの指には今までに見た事のない指輪がキラキラ光っていた。





「アヤさん、その指輪って…」


「ああ、あたし結婚するの。付き合ってる彼が関西に転勤が決まってプロポーズされたの」


「そうなんですか?おめでとうございます」


「ありがとう。まだ来春の話だけどね。彼は来月から関西だから、しばらくは遠距離恋愛なの」





これから離れ離れになるのに嬉しそうに話すアヤさん。



あたしは明日には大好きな大雅と暮らす家に帰るのに不安で仕方ない。






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