優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
「でもね、雪穂ちゃんが現れて少しは人間らしさを取り戻したのは事実よ」





それでもあたしは大雅に愛される事は出来ない気がする。


きっと、あたしでは大雅を苦しみから救ってあげられないんだ。





「雪穂ちゃんが病院に運ばた時も焦って電話がかかってきた。『雪穂が倒れた、すぐ来てくれ』って。なんであたし?って思ったけど、一人じゃ不安だったのね」





確かに。大雅が焦ってるとこはあまり見たことがない気がする。



いつも怒ってばかりで、笑うって言っても鼻で笑うくらいで。


声を荒げて笑うとこは見たことがない。







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