優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
「その後も珍しく落ち込んでるし、正直ヤキモチも妬いたわ。少しだけね。だって、お姉ちゃんがいなくなって慰め続けたのはあたしだったから」




そっか。
アヤさんも昔は大雅が好きだったんだよね。


ヤキモチなんか妬かれるようなあたしじゃないのにな。






「嫌な女でしょ?彼氏もいるのに」


「ううん、アヤさんはすごくいい人です。あたしアヤさんに助けられてばかりで…今日だって、アヤさんに会わなかったらまたお腹痛くなってたかもしれないです」


「ほんとにあの馬鹿は何してるのよね。こんないい子を苦しめるなんて」





それを言うなら、こんな素敵なアヤさんをふった大雅も馬鹿だ。






< 282 / 361 >

この作品をシェア

pagetop