優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
あたしは電源のボタンを押したけど、画面が光ることはなかった。





「携帯、壊れたかも」


「あ?」


「なんで?昨日は大丈夫だったのに」





大雅に何回も電話をかけてる時は大丈夫だったのに。



大雅はあたしの携帯を無言で取り上げた。



ほんとに壊れたのか疑ってるのかもしれないけど、ほんとに壊れたんだよ。





「お前、液晶にまで水入ってるぞ」


「えっ、うそ」





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