優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
俺が手を繋いでる事にぎゃあぎゃあ言うかと思ったが。




「ありがとう」




お礼まで言ってやがる。


それがどこか痛々しくも感じるが。





「母親の遺骨…会うか?」


「どこにあるの?」


「俺の部屋」





雪穂を連れて自分の部屋に入った。


遺骨の前でまた涙を流す雪穂。

今度はさっきみたいに泣きじゃくった感じではなく、綺麗に雫が垂れるように一粒一粒をキラキラさせてた。






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