優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
「雪穂、帰ってこい」


「えっ?」


「俺が守ってやるよ」


「大雅が?」





自分でも驚くな。

俺が誰かを守ってやるなんて…。



でも、雪穂の涙を見てそう思ったんだ。


俺がこいつを守ってやろうって……。





「お前と俺は兄妹だしな」


「大雅、知らないの?ママたちまだ入籍してないからあたしたち兄妹じゃないよ」





そんなのは知ってるに決まってるだろが。





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