×隣のヤンキー少女×
お、おぉー……怖…
カラコンで鋭さが増した眼で思っくそ睨まれた。
「………誰!?」
「あんたこそ誰だよ」
あ、そりゃそうだ。
止めたのは俺だった。
「俺? 俺は…紀理。
306号室の咲坂 紀理な。
元ヘタレです、よろしく。」
軽い自己紹介が終わった瞬間
彼女がピクッと反応したのを、俺は見逃さなかった。
「…………」
どこか一点を見つめて、考え込んでしまった。
そんな彼女に 俺は追い討ちをかける。
「…久しぶり、俺のこと覚えてる?」
「…き…り……?」
俺に視線を戻したが、まだ疑いの表情を浮かべる。
だが 幼い頃の俺を覚えてるのは確かだ。
「そ、紀理。
ただいま…亜美?」
でもまぁこれから思い出してもらえばいーんだし。
そう言って微笑んでやった。