×隣のヤンキー少女×
あたしのマンションの近くにある、小さな建物。
誰が住んでたのか知んないけど、あたしらの溜まり場には ちょうどいい。
ここら一帯の不良が集まる所。
「あ、亜美!」
そこに入ってきたあたしに気付いたのは、楓(カエデ)。
「カエデじゃん。 今日 彼氏は?」
「あとから来るよぉ。」
「そ。 てか、煙草もってる?」
「もってるよ! どぉぞ〜」
今日 集まってるのは五、六人。
煙草吸って、酒飲んで、だべってるだけだけど。
「亜美、イライラしてる?」
「は?」
ライターを探すあたしに、話しかける男。
「顔に出てんよ?」
「黙れ、光汰(コウタ)。」
あたしにくっついて煙草に火をつけた。
「まーまー。 煙草くわえた金髪女子が暴言吐いて睨んだら くそ怖えぇぞ?」
自分の煙草にも火をつけながら笑うコウタ。
「………。」
「俺で良かったら聞くけど。」
ひとつ上のコウタは、鬱陶しい時もあるけど、優しいとこもあんだ。