×隣のヤンキー少女×
煙草を、力いっぱいに消した。
「そいつに会った瞬間、赤くなったあたしにイラついてる。」
あんなのにドキドキした、自分がヤダ。
「まだ紀理だって認めたくないのに、心がそうだって言ってる。
昔なんか比べものになんないくらい、背も伸びて かっこよくなってた。」
「…亜美……。」
コウタは、あたしをじっと見つめてる。
「ん……」
突然、キスが落ちてきた。
「…っ…や…コウタ……」
強引なキスに、抵抗ができない。
「…はっ…」
口が離れた。
「…亜美の口から、そんな話聞くの 許せねぇ。」
「コウタ…。」
悪い、と言いながら あたしの頬を優しく撫でる。
「俺が聞くって言っといて悪いけど。 …俺は亜美の事 好きだから。」
「……知ってるよ。」
コウタからは何度か告われてる。
だけど、返事は保留。
「ありがと、コウタ。」
その気になれない自分が何故なのか、あたしは気付かなかった。