×隣のヤンキー少女×
●305号室=金髪女●
―――…
『僕の親、離婚することになったんだ…』
『え………?』
紀理と亜美は、いつものように公園で一緒に遊んでいた。
はずだったのに。
『離婚って……キリの、おじさんとおばさんが?』
『うん…』
突然 紀理から明かされた言葉に、亜美はついていけなかった。
『だから……母さん、あのマンション出ていくんだって』
『…うそ……』
しっかりと事実を伝える紀理も、涙をこらえるのに必死だった。
それでも まだ、言葉を続ける。
『それで……僕も 母さんに着いてくことになった』
『…………』
まだ紀理の言葉が信じられない亜美は、呆然とするしかなかった。
『じゃあ…もう、会えないの…? 朝、一緒に学校…行けないの?
隣にキリがいなくなるの…?』
震える声で問う。
『……僕だって、ここにいたい』
『…………っ』
紀理の目からは、溢れだした涙が ぽたりと落ちた。
『だけど……だけどね、アミ』
『……?』
ぎゅっと 亜美の手を握った。
『きっと……―』