×隣のヤンキー少女×
「永木、近くなら送ってくけど」
「あ、まじ? 咲坂くん優しー♪
こりゃモテるよねぇ」
「なんだそれ。普通でしょ」
女の子をずぶ濡れで帰すヤツいねーよ。
「まぁ俺 紳士だからね」
「はいはい」
「おま……入れねーぞ」
「うそだよっ! ありがとうございます」
なんて言いながら 駅を出た。
亜美ともこんな気軽に話せるようになんのかな。
アイツ、俺のこと嫌ってるし。
態度冷てぇもんな。
「あ、ここだよ。 咲坂くん」
「ん。 ほんとに俺んちのマンション近いんだな」
「みたいだね!
じゃ、ありがと! バイバイ♪」
「じゃーな」
永木の家は、それほど駅から離れていなかった。
俺は亜美を待つべく、駅へと引き返した。