×隣のヤンキー少女×
「あれ…?」
駅に戻ると、亜美らしき女子高生が立っているのが見えた。
金髪だから目立つんだ。
たぶんあれは、亜美。
「雨止むの待ってんのか?」
気のせいかもしれないが、不機嫌な顔をして こっちを見ている。
…不機嫌なのはいつもの事だけどな。
「亜美?」
「…………んだよ」
「帰ろーぜ?」
は?の一言と共に、何言ってんだ という表情で睨まれた。
「亜美 傘もってねーじゃん」
「だからなに」
「入れてやるって」
「頼んでない」
「愛想ねぇなあ…」
ふぅ、とため息をつく。
俺と帰ろうという気は更々ないようだ。
「バカ。夜までここにいる気?
いーから帰んぞ」
「………」
腕を引き、隣に入れようとしたが、亜美は抵抗しなかった。
素直じゃん、と思いながら足を進めると 亜美はちゃんと着いてくる。
「行きも一緒に行ったんだから同じじゃん」
「……」
…しかし今の亜美は 一段と不機嫌だな…。
いや、俺に対してはいつも素っ気ないが。
いつにも増して黒いオーラ的なのが出ている気がする。