×隣のヤンキー少女×
「………」
あたしは何も言えなくなった。
昔の紀理と比べてたのは事実だし
自分の気持ちにも気付きたくなかった。
そんなこと言って、コイツの思うままになってしまうのが、何か悔しい。
「黙んのかよ…?」
奴がそう呟いたと思ったら、突然 顔が近づいてきた。
「……ちょっ……!」
「何も言ってくれないんだったら、チューしちゃうけど…それでもいいの?」
「……っ!!」
そう囁く声も、僅かな距離で聞こえてくる。
ドクン…ドクン…
心臓、うるさいよ…。
「早く、言えよ?」
「………」
もう少しでキスされそうだ。
あたしは混乱する頭で 言葉を選ぶ。
口を結んだままのあたしに、奴は容赦なく近づく。
「あーみ?」
「〜〜〜っっ!」
顔を背けようとしたが、もう片方の手で 顎を押さえられてしまった。
「…や……」
キスされまいと、咄嗟に言葉を出した。
「……だめ……紀理…っ」