×隣のヤンキー少女×
「……………寝てやがるし」
シャワーはほんの数分だったはずなのに、奴は人んちのソファーで横になっていた。
近づいてみれば、スースーと寝息が聞こえてくる。
「…まだ濡れてんじゃん」
このまま放っとけば、確実にコイツは風邪をひくだろう。
こんな奴でも風邪をひかれちゃ何かと厄介そうだ。
タオルケットでも掛けてやろうかと思いつつ、少し コイツの寝顔に見入ってしまった。
「………そっくり……」
コイツが笑った時と寝てる時の顔は、昔の紀理そっくりだ。
同時に、懐かしい思い出もよみがえってくる。
「………紀理……――?」
「…――――はーい?」