×隣のヤンキー少女×




あれから五年が経ち、高校生の俺は身長がぐんと伸びた。


十分に筋肉もつき、体だってたくましくなった。



今なら あのガキ大将にだって勝てる気がする。



まぁ会うこともねぇだろうけど。




「親父、久しぶり」


三階に着くと、既にドアの前で親父が待っていた。


「ああ!紀理、元気だったか? でかくなったなぁ」


「だろ? 親父のが ちいせえじゃん」



そう言うと、親父も、後ろにいたお袋も笑った。



なんか懐かしいな…。




「さ、入ろ 紀理! 母さんがおいしいもん作ってあげるから!」


「ああ」


「母さんの手料理 久しぶりだなぁ…」




お袋は分かってっけど、親父も全然 変わってなさそうだな…。






「親父、隣は…?」


「隣…って 亜美ちゃんか?」


「あ! 亜美ちゃん、懐かしいわねぇ…」



お袋は思い出したように、俺が幼い頃の記憶を辿っている。


でも 親父は…



「…亜美ちゃんな、実は…――

「あ!! 咲坂さんの奥さん!」




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