ダブルハーツ
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明葉 side
私が上村ちさとという人物の存在を知ったのは、高2の陽射しが珍しく眩しい春のことだった。
同じクラスになって、
『あの……』
窓際の一番後ろの席に座る私に、甘ったるいノンビリした声にかけられた。
『すいません。席、替えてもらえますか?』
顔をあげるとそこには、いかにも世間の男子――いやオタク共が好みそうな妹系というタイプが机の傍らに申し分なく立っていた。
『どうして?それ相応の理由を教えて下さい』
『えっ?!え~っと……それは……』
明葉 side
私が上村ちさとという人物の存在を知ったのは、高2の陽射しが珍しく眩しい春のことだった。
同じクラスになって、
『あの……』
窓際の一番後ろの席に座る私に、甘ったるいノンビリした声にかけられた。
『すいません。席、替えてもらえますか?』
顔をあげるとそこには、いかにも世間の男子――いやオタク共が好みそうな妹系というタイプが机の傍らに申し分なく立っていた。
『どうして?それ相応の理由を教えて下さい』
『えっ?!え~っと……それは……』