ダブルハーツ


「そうだよね……ひっく……」


彼女は私の爪先側に移動し、


「どうしたの?聞いてあげられるだけ聞いたあげる」


顔をあげると、仲根さんの頬は真っ赤に染まっていた。


「私ね……お兄ちゃんが好きだったの」

「お兄ちゃん子だったの。それで似ている人に――」


「違うの!!」


否定を張り上げた。

「まさか貴方……近親相姦?」


コクンッと小さく頷いた。
驚く様が眉間に酷く皺を刻んでいる。


「あ……」
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