ダブルハーツ


静かなエンジン音。私はアサトに抑えこまれながら、過ぎ去っていく車体にむかって、


「もう二度とくるなっ!」


叫んだ。


「離してっ!」


車体が見えなくなった頃合い、アサトは私の両肩を離した。

「どうしてっ?!どうして家になんかいれたのよっ!」


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