王子様の秘密-下-
私の考えていることが分かったのか、栞は慰めるように言った。
「しょうがないよ、生徒会忙しそうだし」
「うん…」
「あっ!!」
「どうしたの?」
私は、急に声をあげた栞を見た。
「浴衣買いに行きたいんだけど…
陽菜、どっか空いてない?」
「そっか!
私も買いたいなーっ
土日ならいつでもいいよ!」
「分かった、ありがと♪
あとで話そうね」
「うん♪」
そっか…
浴衣、かぁ…
私の持っている浴衣は、パステルピンクの浴衣だった。
中学生に間違えられるし…
買い替えたいって、思ってたんだよね!!
九条君にあんなこと言われたから…
あんまり恥ずかしいのは着たくないなぁ…
私はそのまま、浴衣のことで頭をいっぱいにして、放課後まで待った。
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