王子様の秘密-下-



「成弥が…
“お前が勝手に脅して来たんだろ?”って…」

「“脅し”?」

「成弥は脅されてたわけ?」

「まぁ、黙って聞けよ、双子」



再び恭平君の言葉に集中する。



「“ばらす”とか、“その子の立場がどうなっても知らない”とか…
いろいろと、引っ掛かるだろ?」



そんなこと言ってたんだ…


え?

“その子”って…


もしかして…

私に向けられた言葉?



「要するに、成弥は本心で付き合ってたんじゃないと思う。
脅されたんだよな」

「……………」

「桜木ちゃんを守るために」

「………なんで?」



なんで、そんなことするの?

私に迷惑かかるから…?

接点もちたくなかったから?


じゃあ、あの表情の意味は…?



「桜木ちゃん…
これでも分からない?」

「陽菜…
鈍感にも程ってものがあるでしょ?」



嘘だ…


“俺の大事な人だから”


こんなの嘘だよ…


そんなわけないじゃん…


そんな都合良いこと…っ



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