王子様の秘密-下-
「チューリップ…」
「おっ!
かわいいねぇ♪
誰かからもらったの?」
「はい…
大切な人から…」
造花でしたけど…
これは言わないでおこう。
「へぇ…何色?」
「え?
き、黄色でしたけど…?」
「それって、生花?」
「…いえ…」
「まさか一輪?」
「…そう、ですけど」
なんで…知ってるの?
単なる偶然…?
突然、お兄さんは私を凝視した。
…なんか…変?
そしてすぐに、にこっと笑った。
「そっかぁ…
君があのときの…
いや、確かにお似合いだ…」
ぶつぶつ何かを言うお兄さん。
小さすぎて聞こえない…
「あのー…」
「あぁ、ごめんね!
君の言う大切な人って…好きな人だったり?」
「…はい」
なんか、今日はこういう質問多い日だなぁ…
「その人は、彼氏?」
「いえ…
でも、ちゃんと気持ち伝えようと思って…」
「うん、がんばって!
お兄さんが良いものあげるよ」
「?」
そう言うと、お兄さんは一旦店に戻って行った。
なんだろう…
良いものって…
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