王子様の秘密-下-
「高峰君の甚平も魅力的だなぁー…」
「あっ、分かる!
ほんとに、夏祭りって感じだよね?」
恭平君も人気者なんだぁ…
隣の栞を見ると、複雑な顔をしていた。
「栞?」
「ん?」
「やきもち?」
「なっ…違うから!!!」
栞は顔を赤くしたまま、伏せてしまった。
いつも私のことばっかりで…
栞の恋って、私いつも協力できないままだったなぁ。
「栞…」
「なに?」
「…今度は私が応援するね!」
「…ありがと」
栞は顔を伏せたままだったけれど、充分伝わったと思う。
私は笑みを浮かべて、再びクラスの女の子達の話題に耳を傾けた。
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