王子様の秘密-下-



そんな忙しさも、とある来客によって消えたのだけどー…



「おい、陽菜っ!!」

「…へ?」



一瞬にして、教室中が静かになった。


みんなの視線は、私と私を呼んだ人…



なんで…?


なんで…いるの?



「…な、るみ…?」



“椿谷君”と言う名の仮面などなく、本性のままの成弥がいた。


…すごく怒ってる…?



「…お前なぁ!!
俺が午前の部の当番だって知っててやったのか!?」

「…へ?午前…?」

「ったく、行けるわけねぇだろ!!
恭平に聞かなかったのかよ?」

「あ…っ」



そういえば…

何か言おうとしてた…って


成弥が午前担当だから、行けないって言おうとしてたの!?



「お前バカじゃねぇの!?」

「ゔ…ごめんなさい…」



成弥はやっぱり怒っていた。


ううん、すごく怒ってる。



みんなびっくりして、誰も身動き一つできてないし…



,
< 147 / 165 >

この作品をシェア

pagetop