王子様の秘密-下-
そんな忙しさも、とある来客によって消えたのだけどー…
「おい、陽菜っ!!」
「…へ?」
一瞬にして、教室中が静かになった。
みんなの視線は、私と私を呼んだ人…
なんで…?
なんで…いるの?
「…な、るみ…?」
“椿谷君”と言う名の仮面などなく、本性のままの成弥がいた。
…すごく怒ってる…?
「…お前なぁ!!
俺が午前の部の当番だって知っててやったのか!?」
「…へ?午前…?」
「ったく、行けるわけねぇだろ!!
恭平に聞かなかったのかよ?」
「あ…っ」
そういえば…
何か言おうとしてた…って
成弥が午前担当だから、行けないって言おうとしてたの!?
「お前バカじゃねぇの!?」
「ゔ…ごめんなさい…」
成弥はやっぱり怒っていた。
ううん、すごく怒ってる。
みんなびっくりして、誰も身動き一つできてないし…
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