王子様の秘密-下-



「…陽菜、お前すげぇ綺麗」

「成弥っ」



甘い声を耳元で囁かれた。


…ずるい!!


成弥だって…

甚平が似合ってて、かっこよさ倍増されてるのに…っ


あぁ…

心臓もたない…



「そこ!
甘い空気漂わせるなよ」

「く、九条君…?」

「なに、妬いてんの?
しょうがねぇなぁ…」



渋々と、抱き寄せかけていた私を離す成弥。


…変わりようがすごい。



「あのー…
椿谷君の写メ撮らせてくれないかなぁ?」

「私もー」

「あ、私もっ」



成弥は嫌そうな顔をするけど、女の子達は気付いていない。



「んー…
良いけど、コイツと一緒な♪」

「えっ!?
私入ったら迷惑じゃん!」



撮りたいのは成弥だけなのに…っ



「じゃなかったら、写メ撮んなよ」

「えー…
桜木さんお願いっ」

「陽菜ちゃん入ると絵になるね」

「桜木さんも!」



え…えぇ…?

そんなぁ…



「!!」



ぐいっと引き寄せられ、成弥にキスされた。


……!!


途中で成弥の舌が入ってきて…


息…できない…よ…っ!!

苦しいっ!!


意識が…なんか…っ


「…んっ…成弥ぃっ…」



私がやっとのことで成弥の名前を呼び、口の塞がりがなくなった。



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