王子様の秘密-下-
「…陽菜」
「なぁに…?」
「半分貸せよ、重いだろ?」
「あ、りがと…」
成弥は、私の持っている束を半分取って、自分の持つ束に重ねた。
一気に重みを半減した束は、さっきよりもずっと軽かった。
行きも半分持って欲しかったなぁ…
なんて、口が裂けても言えない。
結局、私達が話したのはこれだけで…
自習室を出てから職員室までの間、私達はこれ以外ずっと無言だった。
その沈黙が、よけいに私のドキドキを刺激していた。
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