王子様の秘密-下-



「陽菜?
あんたには、危機感ってものがないの?」

「危機感?
なんで?」

「はぁ…」



栞は呆れたようにため息をついた。


私が危機感?

成弥が会長になるから?


まさか…



「私に会長をやれとでも!?」

「…はぁ?」

「そんなの無理だよ!!
私の成績やばいことくらい、栞知って…」

「私の言いたいこと、はるかに反れてるんだけど…」

「へ?」



やっぱり?

だよね…

私が会長なんて、栞が言うはずないもん!!



「陽菜さぁ」

「うん」

「椿谷に告白しなよ」

「うん……………え!?」

「だから、椿谷が好きなんでしょ?」

「…はい?」

「いい加減に…
素直になれっ!!」

「痛っ」



栞にデコピンされた。


…本気で痛いよ、栞ちゃん…



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