王子様の秘密-下-



「あっ、陽菜!」

「…栞」

「聞いたの、あの噂」

「うん…」



嫌でも耳に入って来るよ…

そのくらい、みんなが成弥達に関心を持っているってこと。


中には、神崎さんの悪口もあった。



成弥…本当なの?



「ねぇ、陽菜!」

「…なぁに?」

「確かめに行こう!」

「…どうやって?」



まさか、本人に…?

そんなの聞けないよ…


だって、もし噂を肯定されたら、私はきっと立ち直れない。



「昼休み、あそこ行くよ!」

「…私、パス…」

「ダメ!!」

「えー…」



私は強制的に“あそこ”…つまり、自習室に行くことになった。





その選択をしたことを…

のちに私は後悔することになる。



,
< 32 / 165 >

この作品をシェア

pagetop