王子様の秘密-下-
「あっ、陽菜!」
「…栞」
「聞いたの、あの噂」
「うん…」
嫌でも耳に入って来るよ…
そのくらい、みんなが成弥達に関心を持っているってこと。
中には、神崎さんの悪口もあった。
成弥…本当なの?
「ねぇ、陽菜!」
「…なぁに?」
「確かめに行こう!」
「…どうやって?」
まさか、本人に…?
そんなの聞けないよ…
だって、もし噂を肯定されたら、私はきっと立ち直れない。
「昼休み、あそこ行くよ!」
「…私、パス…」
「ダメ!!」
「えー…」
私は強制的に“あそこ”…つまり、自習室に行くことになった。
その選択をしたことを…
のちに私は後悔することになる。
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