王子様の秘密-下-
「最近出てきたから、気にはなってたのよね」
「しかも、成弥と登下校してたじゃない?」
「初めにこっちやろっかぁ?」
「賛成。
ちょっと顔貸してね?」
「大丈夫。
そこまで不細工にしないから…」
じりじりと近付いてくる先輩。
私は後退りしようとしたが、神崎さんの手が逃がそうとはしなかった。
目の前に来た先輩は、満足そうな笑みを浮かべて、右手を上げた…
…もうダメだっ!!
そう思って、とっさに目をつぶった。
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