王子様の秘密-下-
……あ…れ?
痛くない…?
もしかして、感覚おかしくなった?
…じゃなくて、先輩が動いた気配さえなかった。
まるで、周りの時間が止まったように…
誰一人として、動いた気配がしなかった。
誰かが息を飲む音がした。
私は、恐る恐る目を開かせた。
目の前には、右手を上げたままの先輩…
何かを見て、怯えている表情だった。
先輩が見てるのは…
私の後ろ…?
神崎さんも、他の先輩も…
みんな後ろを見ていた。
私は、ゆっくりと振り返った。
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